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なぜ日本の大学に入学試験があるのか@リード予備校

2020/05/02

おはようございます。リード予備校の佳山です。

 

 

「なぜ日本の大学に入学試験があるのか」

 

 

大学に入学試験があるのは当たり前ですか?? これは、日本、特にアジアで当たり前で、大学制度の歴史が長い欧米では当たり前ではありません。欧米では卒業試験があったとしても、入学試験はほとんどありません。一部の超エリート大学は難解な入学選抜がありますが、ほとんどの大学に入学試験そのものは存在しません。

 

 

韓国、中国、台湾、シンガポール、インドなどアジア一円では、日本にも劣らない受験競争が存在しています。

 

 

親日家の社会学者ロナルド・ドーアは、激しい受験競争を「遅れて近代化を始めた国」の特徴と位置付けています。

 

 

日本が近代教育システムを導入したのは明治初年にさかのぼります。

 

 

明治政府はその発足から教育を重視しており、明治8年には全国に2万4303校もの小学校が開設さえました。数だけみれば現在とほぼ同じであるところがすごいですね。全国を8つの大学区に分け、それぞれの大学区に32校の中学を統括し、さらにそれぞれの中学が210校の小学校を統括するという仕組みでした。

 

 

明治維新後すぐのことなので、問題となったとは圧倒的に先生の数が少ない。明治15年には、正規の資格をもった教師は1校に1人、生徒100人あたりに1人いるかどうかだったそうです。 めちゃくちゃですが、近代化を急いでいた時期なので、無理やりにでも制度を整える必要があったんですね。

 

 

小学校で教師の要請が間に合っていないんですから、大学の講師となると、もっと足りていないというか、皆無です。そのため、いわゆる「お雇い外国人」にそれぞれおの母語で教えさせることにしたが、大学教育を受けられるほどの外国語能力をもった若者の育成が間に合わない。。。 おいおいって感じですが、それでも敢行したのでどうなったかといいますと

 

 

進級や進学の際に厳しい試験を行って、能力のある者をスクリーニングしていく

 

 

小学校の段階から、卒業だけでなく次の学年に進級するために試験が課され、さらには近隣の小学校との間で競技会のような試験競争も行われていた

 

 

そうした試験は、「帝国大学の要求する高い水準と、(中略)小学校や中学校の現実の教育水準との大きな落差を埋める方法として、なくてはならないものだったのである。二つの学校系統は、予備校や浪人をふくむ長期間の受験準備教育を要求する入学試験の制度によって、辛うじてつながっていたといってよいだろう」 (天野郁夫『試験の社会史 近代日本の試験・教育・社会』)

 

 

こうした無理矢理なやり方は大きな弊害を生み、明治20年ごろにはすでに「試験地獄」への批判が高まっていた。その結果として、明治三三年に小学校における進級・卒業試験は廃止された。試験の弊害として当時論じられたことは、「記憶力重視のせいで想像力や自発性がなくなる」「生徒同士が敵対心を持つ」「教師は授業で受験対策ばかりやるので真の人間教育が行われない」といったことであった。(山口裕之 『「大学改革」という病』)

 

 

また、上記の天野さんは「昔も今も、試験の弊害について、言われることが変わっていないのに、おどろかされる」と言っています。

 

 

 

これが、日本において入学試験制度がはじまった経緯です。 大学のお雇い外国人の母国語の授業についてこれる者だけを、過酷な試験で選別していく。今の入学試験も、大学の授業についてこれる者だけを選別している要素はありますが、昔はすごかったですね。

 

 

「学校制度が拡大し普及しても、日本ではヨーロッパのような「卒業試験型」の制度に移行することなく、むしろ卒業試験の方が廃止され、入学試験制度は現在に至るまで残存している。(中略)より本質的な理由は、企業が社員を採用するときに学歴を重視するようになったことである」(山口裕之)

 

 

フランスは、大学入学資格に、高校の卒業試験の合格が含まれています。日本にはないですね。

 

 

現在、日本の大学入試は、(受験)機会平等であるべきという理論が強くあります。

 

 

ロナルド・ドーアは「どの社会でも分業は必然的に権力と威信の差異を生む。社会の安定を維持しようとすれが、貴重とされるもの―それが威信であれ富であれ妻であれ―の配分における差異を何らかの形で正当化しなかればならない」と述べています。

 

 

「一般に、前近代の社会では、権力や威信の配分は世襲によって行われてきた。ところが、近代社会では、能力主義(メリトクラシー)よる地位の配分が広まった。それと同時に、民主主義的な平等主義の思想も一般化した。そこで、「とくに能力のある人間だけが社会の支配的地位につくことができる」ということと、「誰でも平等に社会の支配的地位につける」という、本来なら矛盾する二つの要求をバランスさせるために、競争に参加する機会の均等化の条件を整備したうえで、学力テストの成績による地位の配分が一般化したのである」(山口裕之)

 

 

極論な感じもしますが、受験機会平等で受験競争に参加させるということは、素晴らしいことであると同時に、過度な競争による不幸ももたらすことになるかもしれないと、理解しておかいといけません。

 

 

秋入学でグローバルスタンダードに合わせることもしても、

 

 

日本の試験に対する考え方、入学試験選抜から卒業試験にシフトする、新卒一括採用、学校歴によるスクリーニングなどなど

 

 

意識改革しないと秋入学もうまく作用しないかもしれません。

 

 

このGWはロナルド・ドーアの本を熟読したいと思います☆

さらに

詳しく知りたい方はコチラから!

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